「黙示録」 64の裏

「黙示録」、「黙示録外伝」にまつわる数々の裏話。
裏を知れば、「黙示録」はもっともっと楽しくなる!(たぶん)
実際は64個もないと思いますが、そのくらいの勢いということで。




※ ネタバレを多分に含みます。
※ 内容が「単語録」などと被る場合があります。



その1 「黙示録」の真のキャラクターデザイナーは、プランナーの薬師寺氏だった。

公式設定やスタッフロールではキャラクターデザイナーは梅津氏ということになっているが、実際は「黙示録」スタッフの一人、薬師寺氏がキャリーやラインハルトなどの生みの親であるらしい。
発売直前になって「名前がほしい」という理由から梅津氏に依頼し、それが公式イラストとして使われるようになったという。
海外の「黙示録」攻略本の資料を見ると、明らかに梅津氏のタッチとは異なる絵が混在している。おそらく、これが薬師寺氏の手によるものとみて間違いないだろう(一部はデザイナーの福山愛氏によるものらしい)

こっちの方が良かったんじゃないか? とは思っても言ってはならない。


その2 プレイヤーキャラクターは4人になる予定だった。

開発当初、プレイヤーキャラクターはラインハルト、キャリー、コーネル、コーラーの4人になる予定だった。
しかし、時間の都合か、はたまた容量の問題か、コーネルとコーラーの二人は没となり、最終的にプレイヤーキャラクターはラインハルトとキャリーの二人となった。
コーネルはその後「黙示録外伝」にて無事返り咲きを果たすが、コーラーはついに日の目を見ることはなかった。

ちなみに、コーネルはこの時点ですでに外見その他(獣人の力を持つことなど)がほぼ確定していたらしい。
プロモーションムービーでは華麗な三角跳びを披露していた(使ってみたかったなぁ…)

コーラーは二種類のデザイン案が確認されている。
一つは左手に銃を持ち、右手はチェーンソーというムキムキ大男。
もう一つはアンドロイドのような女性。
存在こそ消えたものの、前者はガーデンキーパーの大元として重要な(?)役割を果たした。
後者は完全に没となったわけだが、姿形を見る限り世界観にはまったく合っていないし、これは正しい判断であったと思う。


その3 コーネル・ラインハルトとシュナイダー・ベルモンド。

コーネルとラインハルトのフルネームは、当初こう設定されていた。
しかし、「ラインハルト」は名前、「シュナイダー」は苗字として使われることが一般的である、という事実が発覚し、名前変更を余儀なくされる。
そこでこの二人の名前を一般公募という形で募集し、晴れて現在の名前となった…わけだが、名前を見た限り、あまり良い名前は寄せられなかったのかなぁ、と思える。
いっそコーネル・シュナイダーとラインハルト・ベルモンドでも良かったのではないだろうか?(でもエイダ・シュナイダーは嫌だなぁ…)

…とはいえ、このファンとの距離の近さが、KCE神戸に親しみを持てる理由になっていたのは間違いない。
サービス業はただ作って与えればいい、というものではないはずだ。

ちなみに名付け親は「黙示録」スタッフロールのSPECIAL THANKSの二人。


その4 キャリーのスカート丈にまつわる黒い噂。

もはや「黙示録」を語るにあたっては避けて通ることのできない存在となったキャリー。
基本的なデザインは最初からほぼ確定されていたらしいが、素足+靴下という点が今とは大きく異なる点だった。
想像を遥かに越えた(中略)が画面上に炸裂。
多くの男性スタッフがモニターに釘付けになり、「もう少し丈が短い方が…」とか「いやいや、見えそうで見えないのが…」といった大層危険な会話が飛び交い、女性スタッフを大いに引かせたという…(笑)

そのただならぬこだわりは隠しコスチュームの衝撃を経験すれば大体納得はできると思うが、それにしてもよくこれであの任○堂チェックを通り抜けることができたものだ、とつくづく思うのは私だけではないはず…。

※しかし、このキャリーのデザインについては、今見ても非常に良くできていると感心させられる。
すなわち、Nintendo64の低解像度を考慮したうえで、一目でキャリーと見分けることができるポイント(左右の一見無意味に思える長いリボンなど)をしっかり作っておいたという点。
服自体は地味そのものだが、この細かい配慮の利いたデザインは(一般のデザイナーでは)そうそうできるものではない。まさにゲーム制作者が考えたからこそできた芸当と言えるだろう。



その5 ヨーロッパ版のスタッフロール曲が長い件について。

「黙示録」の音楽CDにおいて、スタッフロール曲は日本版(アメリカ版)より40秒ほど長いヨーロッパ版のものが収録されている。
この40秒の差は何なのか?

すぐに思いつきそうな理由は「スタッフが増えた影響で(スタッフロールが)長くなった」だが、これはハズレ。スタッフロールの内容はほぼ変わっていない(PLANNERに1名兼任スタッフが増えた程度)
実は、変わったのはゲームとはまったく関係のない部分。すなわちフレーム数の問題だったりする。
日米(など)のテレビはNTSC方式を採用しており、フレーム数は約30。
一方ヨーロッパ(など)ではPAL方式が採用されており、こちらはフレーム数25である(あまり詳しくないので、もっと深く知りたい方は検索で調べてください)
フレーム数というのは、簡単に言うと1秒間に画面を更新する回数のこと。NTSC方式なら1秒間に約30回の画面更新を行うことになる。
つまり、NTSC方式で216秒のスタッフロールは、そのままPAL方式にすると約259秒かかる計算になる。
これが40秒の差の正体である。

…もっとも、このくらいなら表示速度の調節だけでいかようにもなりそうな気がしないでもないのだが、まぁ、その辺りはいろいろと事情があったのだろう(適当)
ともあれ、個人的にはあの静寂と平穏を感じさせる40秒部分は大好きであるだけに、ヨーロッパ版だけでしか聴けないのは残念である。

※関係ないが、ヨーロッパ版では言語を英語、フランス語、ドイツ語の3種類から選ぶことができる(音声は不変) この設定はぜひ日本版でもできるようにしてもらいたかった。


その6 変身なしじゃ倒せない?

圧倒的な攻撃力で瞬殺当たり前の「黙示録外伝」Hardモード最終ボス。
そのあまりに圧倒的すぎる力ゆえか、一部では「変身を使わないと勝てない」とまで言われる有様。
断言してもいいが、これは単に練習不足の言い訳にすぎない。
ちゃんとパターンさえ覚えれば変身など使わなくても、それこそノーダメージ勝利だって可能である(サブウェポンも必要ない)

それにしても、この時代(1999年当時)において、ここまでプレイヤーに情け容赦ないゲームも珍しいのではないだろうか(ステージ1のサーペントなどもそう)
私自身、ノーダメージ達成までには何度も挑み、数え切れないくらいコンティニューを繰り返したものだ。
しかし、今思えばアクションゲームの原点とはこういうものではなかったか?
適当に攻撃し、適当に回復し、適当に倒せて、もし負けても直前からすぐやり直せるような作りでプレイヤーの向上心を削いでしまっては、「アクション(ゲーム)」というジャンルが衰退していくのも無理はない。
…もっとも、メーカーとプレイヤー、どちらが先に原因を作ったのかは分からないが。

ゲームが飽和状態になり、単なる暇つぶしレベルにまで堕ちてしまった今、あえて一つの(難しい)ゲームを選んでとことん極めてみるのも、よい経験になるのではないだろうか。
もっとも、そのゲームを「気に入る」ことが大前提であり、ただ強制するのは全く無意味であることは明記しておく。


その7 Easyモードの遍歴。

悪夢のようなマジカルニトロ運びを終え、手ごわいボスとの連戦を制し、ようやくステージ5をクリアした後に告げられる、「Easyモードはここまでです」という非情なメッセージ。
この仕打ちにやる気を失ったプレイヤーは多かったであろうことは想像に難くない。
例え説明書をきちんと読んで、Easyモードは途中までであることを知っていたとしても、この打ち切られ方のショックは大きいだろう。

実は、当初はEasyモードでも最終ステージまで進めるように作られていた。
最終ステージで日数に関わらずバッドエンドルートに分岐し(あの人物とも戦うことになる)、真のエンディングは見られない、という展開になる予定だった(ちなみにスペシャル1、2、3の入手やクリアデータの記録も可能)
そのとき表示されるはずだったテキストデータも内部には残されている(当然、通常では見ることはできない)



簡単なモードでは途中まで、という設定は個人的にアリだと思うが、終わり時として最適なタイミングはステージ3ではないかと思う。
適度に操作や間合いに慣れ、捜索&時間イベントや主要キャラクターも(二名を除いて)登場し、買い物システムも使えるようになり、最後はそれなりに強いボスも現れる。そして棺に飛び込んだ先に待ち構えているのは…? という先が気になる展開。
後のステージがこの応用で進んでいくことを考えれば、導入としてもっとも適した長さではないだろうか。

さらに欲を言えば、難度差ももっと極端につけてしまってもよかったかもしれない。
例えば、小さい足場の大きさは2倍、水や奈落に落ちても一定ダメージで落下地点へ復帰、思い切って落下ダメージはなし(これは個人的には微妙)、ホワイトジュエルの増加など…。
他にも、細かいアドバイスがあればなおよかっただろう(周辺マップが見られたり、スタチュードッグに噛まれたとき、「サブ攻撃で振り払え!」と表示されるなど)

…ただ、ここまでバカ親切すぎるのも「悪魔城ドラキュラ」としてはどうかな、という気はする。
やはりある程度プレイヤーを突き放してこそ「悪魔城ドラキュラ」ではないか。
そういう意味では、「黙示録外伝」よりも「黙示録」の方が、本来の「悪魔城ドラキュラ」らしさをかもし出していたといえる。


その8 ヴェルナンデスの戦士=サイファ?

キャリーの同胞、ヴェルナンデスの戦士。
当初は「悪魔城伝説」に登場したサイファの成れの果て…という設定だったが、「それではあまりにも…」という理由から単に他にも多くいたヴェルナンデスの一人、という設定に変えられた。
サントラCDにおいて、登場時に流れる曲(トラック19)のタイトルは「サイファ」だが、これは修正が追いつかなかったため。

以上が公式の発表であるが、仮にサイファだったとするとどうなるか。
さまざまな(?)角度から検証(これって実験データネタじゃないか?)

■年代
「悪魔城伝説」は1476年、「黙示録」は1852年で、その間は約400年となる。
1400年代に捕らえられて、約400年もの間呪いに抗い続けた…とするのはさすがに無理が過ぎる。
また、400年前だとすれば呪いをかけたアクトリーセは1400年代から存在していたことになる。
あの性格のアクトリーセが400年間も裏で暗躍するとは考えにくい(クリストファーやシモンの時代でも高笑いしながら出てきそうな気がする)
逆に数年(か数ヶ月か数日か)で吸血鬼化したとすれば、今度は投入時期が不自然(400年も放置というのはさすがに…)

■容姿
サイファは金髪だが、ヴェルナンデスの戦士はくすんだ緑色の髪である。
他に吸血鬼化した名もなき女性(悪魔城別邸ボス)やビンセントは変化していないことから、吸血鬼化が髪の色に影響を与える可能性はなさそうだ。
(あのシーンで金髪で現れたら雰囲気ぶち壊し間違いなし)

■攻撃方法
杖、冷気、追尾弾(青)という3種類の攻撃は、それぞれサイファの通常攻撃、冷気、ライトニングボルトと性能が似ている(追尾弾(赤)と炎は似ていない)
しかし、キャリーの攻撃はこのどちらにも似ていない(あえて言えばエネボール=単発ライトニングボルトか)ことから、同じヴェルナンデス一族でも個々の戦闘スタイルは異なると考えられる。
共通の攻撃方法が多いことから、サイファ直系かそれに近い存在である可能性は高そうだ。

■攻撃力&体力
破壊神として恐れられた(?)サイファに比べ、ヴェルナンデスの戦士の攻撃は豆鉄砲レベルである。
本来、吸血鬼化は能力をより高めるはずなので、あのサイファと同一人物とは考えにくい。
逆に体力は全敵の中でもトップクラスのタフさを誇り、これもサイファの特徴とは反する。


■結果
容姿や攻撃力の不自然さについては説明がつけられなくもないが(呪いの質が違う…とか同族だから互いに耐性が強い…とか)、年代に関しては納得できる説明はできそうもない(「ヴェルナンデス一族は長寿で500年くらい〜」とかいう駄目な設定はNG)
「かつて魔王に逆らった〜」とあるから、直近の100年前、つまり1750年くらいに捕らえられた名もなきヴェルナンデスの戦士と考えるのが妥当だろう。


その9 裏設定 1

■ミハイル
ラインハルト=シュナイダーの父親の名前。
「黙示録」の企画書内に登場するだけであり、ゲーム本編でその名が語られることはない。
正式に書かれることはなかったが、フルネームは「ミハイル=シュナイダー」で間違いないはず(ただし、企画段階では既出の通りラインハルトは「シュナイダー=ベルモンド」だったので、彼も「ミハイル=ベルモンド」だったのだろう)
ゲーム開始時にはすでに故人となっているが、その原因は不明。

ラインハルトには「無抵抗の者を攻撃してはならない」という教えを残している。
冷静に考えると教わるまでもない気もするが、もしかすると昔のラインハルトは血の気の多い乱暴者だったのかもしれない。

妻については全くの謎。

<以下勝手な想像>
「黙示録」の8年前、すなわち「黙示録外伝」の事件のときに立ち上がり、帰らぬ人となった可能性が高い。
そのときラインハルトは17歳なので、「ドラキュラ伝説II」でいうところの成人の儀式は終え、バンパイアハンター(作中では「バンパイアキラー」だが、通じやすさから「バンパイアハンター」で統一)の名を受け継いでいたことは確か(ハンターの証である「聖なる鞭」を持っていることからも裏づけが取れる)
しかし、まだ技術的にも経験的にも未熟だった(であろう)ラインハルトは、戦いに参加することを認められなかったのかもしれない(継承しておいて参加できない、というのも不自然ではあるが…)
また、「黙示録外伝」時の復活が、(コーネルも言っていた通り)全く想定外のものであったことも理由になっていると思われる(ちょっと自己フォロー)

しばらくして、コーネルの活躍(?)によりドラキュラは倒されたが、ミハイルが帰ってくることはなかった。
己の無力さを悔いるラインハルト。
しかし、戦いが終わったことを知りながらも、バンパイアハンターとしての勘が告げる。
「いつか、自分が戦わなければならないときがくるかもしれない…」
ラインハルトは父の教えを胸に、バンパイアハンターの修行に打ち込むのであった…。

…こんな感じで設定と繋がっていたらいいなぁ、と個人的には思う。


しかし、その数年に亘る修行の成果が、力に目覚めて間もない12歳の少女に劣るという事実には、いささかならず酷なものがある…(苦笑)

※追記
その後の調べ直しにより、ミハイルが亡くなったのは10年前であることが判明(ソースはKCEKサイト(今は存在しない)の作品解説ページ)
つまり1842年。「黙示録外伝」からさらに2年前ということになる。
その他の詳細は一切不明だが、魔物が関係している可能性は高そうだ。
また、キャリーの(実の)両親もキャリーが幼い頃になくなったとされている。
もしかすると、この3名が亡くなった根本的な理由は同じであるのかもしれない。
果たして10年前に一体何があったのだろうか…。
…という謎が、主人公・ミハイルとキャリー両親の「黙示録3」で明かされる予定だったのかも?
最後が悲しい結末なのは避けられそうにないけど…。


「黙示録」より10年前、ラインハルトは15歳になっている。
…ということは、成人の儀式は15歳か? とも思ったのだが、その2年後のドラキュラ復活に対してラインハルトが何の行動も起こしていないことから、バンパイアハンターの名を受け継いだのはミハイルの死後数年(「黙示録外伝」より後?)、と考えた方が筋が通りそうだ。
いずれにせよ、私の妄想設定は完全に否定された…。


その10 裏設定 2

■ヴォルフ
オルテガの企画段階の名称。
企画書内に、『同胞ヴォルフの裏切りにより〜』とある。

「同胞」の意味は「兄弟」もしくは「同族」なので(でも兄弟だったらわざわざ「同胞」なんて書かないと思う)、オルテガもコーネルと同じく人狼族なのだが、「オルテガ=人狼族」と考えてもどうもしっくりこない。
その理由には、俊敏で身軽な人狼と、屈強で重戦車なオルテガには全く共通点がないということが大きいだろう。
同族だから感じていた引け目、というものもあるだろうが、個人的には「オルテガ=人狼族」ではなくてもよかったような気はする(じゃあライオン族?(笑))

それから、「何でこんな姿に?」と疑問の声の多いキマイラ変化については、もともとの人狼の力にドラキュラの力が合わさり、自然からかけ離れた怪物を作り出した…という、言ってみればドラキュラの力の禍々しさを表現したかったのではないだろうか。

名前の変更については、もともと敵味方問わず人狼比率の高い「黙示録外伝」のこと、「また狼(ウルフ)か!」という制作者自身のツッコミがあったのではないかと思われる。
…まぁ、この辺りは例によって想像に過ぎないが。


でももしこのままの名前だったら、代わりに私がツッコミを入れたのは間違いない(笑)


その11
(1)
キャリーのバックストーリー(前編)

あまり明確にされていないキャリーのバックストーリーを考える。
なお、やたらと長いうえにあくまで推測の域を出ないので、「お前の戯言など興味ない」という方はここで終了の方向で。
(他も推測だらけのような気もしないでもないが…)

おおまかな流れは、

両親を亡くし、養母に引き取られる。

魔物によって養母を亡くし、同時にヴェルナンデスの力に目覚める。

数年後、ドラキュラ復活。ドラキュラ討伐に乗り出す。

ドラキュラを倒し、2年振りに養母の墓前へ。


ポイントは養母を亡くしてから「数年後」(ソースは「黙示録」の説明書)と、「2年振りのお墓参り」。
「数年後」ということは、養母が亡くなってからドラキュラが復活するまで、最低でも2年は経っていることになる。
その間のキャリーの行動は明らかにされていないが、一度も墓前に行っていないことから、「行くことができない事情があった」か、あるいは「戻るのはドラキュラを倒してから」という決意のもと旅をしていたという推測はできる。
「養母が目の前で命を落としたことがきっかけで、眠っていたヴェルナンデスの力が目覚め、自分の運命を知る」ことから、後者の理由の方がしっくりきそうな気がする。
ただ、力に目覚めたとはいえ、10歳前後の少女が2年間も一人旅などできるものなのか? は疑問だが、ドラキュラ討伐の10数日間の行動から考えると、その時点で精神的にも肉体的にも相当なタフさを備えていた(=一人で生き延びていた?)ことは疑う余地もない。

サイファのように、修道院を転々としていたという考え方もできるが、このタフさと「一人で乗り込んだ」経緯から考えて、その線はやや説得力に欠ける…ような気がする。
子供であることを理由に討伐隊に入れてもらえなかったので、一人でこっそりと…と考えれば「子供扱いされることを嫌う」理由にも繋がるが、それだと「ドラキュラの復活を感じ取った」経緯とは矛盾するので、やはりこの線はナシか。
(そもそも今回、教会側は「子供の救出」という補助的な役割に徹していて、討伐隊など結成していないことは明らかであるし…)


その11
(2)
キャリーのバックストーリー(中編)

引き続き長い推測です…。興味がない方はさようなら。

2年間、どのように生き延びていたか…特に食料事情については、「魔物を倒してお金を稼いでいた」辺りが適当か。
あとはゲーム本編同様拾い食いか(あんな感じで肉が落ちているとは思えないので、果物とか野草とか…)
そういえば、魔物の卵らしきものに塩をふって食べようとしているイラストもあったな…。
何だかミもフタもないが、ゲーム中の何のためらいもない行動を見る限り、かなりあり得る方向性ではある。
ただ、お金を稼いでいた割にはゲーム開始直後は無一文だったりするのだが…。
敵から得たものだけでも10数日間で2〜3万になる(集中すれば4〜5万以上も可能だけど…)ことを考えると、2年も放浪すればとんでもない金額になっているはず。
しかし、ローストチキンが1個2500GOLDとすると、1日平均2〜3千の収入ではそれほど余裕があったわけでもないのか…?(レノンのことだからきっとかなりのぼったくり価格なのだろうが)


本来、ドラキュラが封印されている間は魔物たちも眠りについている(ソースは「悪魔城伝説」)はずであるが、今回の場合は恐らく封印のふの字も知らないであろうコーネルによって倒されたわけで、その後の展開からしても「封印まではされていない」感じが強い。
さらに言えば、キャリーの養母は魔物によって命を落としたと明確に書かれているし。
しかし、魔物がいたとするとちょっとおかしなことが一つ。
バンパイアキラーの修行をしていたというラインハルトの行動。
魔物がいるのに放っておいて修行に明け暮れるというのも、無責任というか変な話である。
ただ、「修行=魔物討伐」と考えれば、一応筋は通るか(何だか無理矢理っぽいが)

結局のところはどうなのかと言うと…。
無一文で飛び出し、2年間魔物を倒して得たお金や拾い食いで放浪生活。
旅や戦いの邪魔にならないよう、一定の額を超えたら教会にでも寄付していたのではないだろうか。
あるいは常に生活はギリギリだったか…。
全額寄付(ゲーム開始直後の無一文状態を指す)となると豪快すぎる気がしないでもないが、「悪魔城に潜入=お金など持っていても邪魔」と考えてのことだったとすればそれほど不自然なことでもない(まさか悪魔城で商売人に会うとは思ってもみなかっただろうし…)

…でも、無一文のうえに食料ももたないで潜入しようとする行動はどう考えても無謀だし、ゲームが始まるとまた稼ぎ始めるのでその線は説得力に欠けるか(まさか日帰り気分で潜入したわけでもあるまい…)
不幸少女らしく、「持っていたけど全部落とした」の方がらしいかもしれない。
納得できる推測があれば教えてください…(私には無理です)
無一文、無準備(武器以外)はキャリーに限らずコーネル、ラインハルト、ヘンリーの全員に当てはまるので、落としたと考えるよりはその必然性があったと考えた方が自然かも。


その11
(3)
キャリーのバックストーリー(後編1)

…いや、3回きっかりで終えるつもりだったのですが、最後でこんなに長くなるとは予想外でした…。

お金といえば、養母の墓も気になる。
あのような広大な丘の上に独占して墓を建てられるくらいなのだから、実は相当な富豪(あるいは英雄的存在)だったのではないかと推測される。
ラフイラストの「びんぼー」の一文を元に、「勝手に建てた」説もある(笑) …でもびんぼーだったら墓を建てることすらできないと思う。
それに反してあの貧乏極まりない(笑)格好に対しては、養母の死に責任を感じ、すべてを放棄してドラキュラ討伐に向かった…と考えるのが妥当か。
あるいは、いろいろ持ってきたけど全部落とした(しつこい)

妄想ついでに養母についても少し考えてみよう。
幼いキャリーを託された経緯からすると、キャリーの両親とはかなりの信頼関係があり、縁の深い人物であると思われる。
バンパイアキラーの家系と縁が深い…となると、やはり養母もその家系の人物と考えるのが自然だろうか。
個人的にはキャリーの母親の姉妹(感覚的には妹の方)、という気がしてならないのだが、明確な根拠は特にない。
あえて言えばキャリーが最初からヴェルナンデス姓であったことくらい。

もう一つ。
ヴェルナンデスの戦士が実はキャリーの母親だったという妄想。
キャリー自身、実の母親に関しては何も覚えていないという前提での考え。
…でもそれでは「ヴェルナンデスの戦士=サイファ」以上にあんまりにあんまりな展開であり、これは絶対にあってほしくないと思う(だったら書くな)
それに、前述(その8)での検証により、キャリーとは魔力の性質が異なることは分かっているし…(波長は近いらしいが)


キャリーは自分を育ててくれたのが養母であり、実母ではなかったことを認識していた。
この事実はいったいいつ知ったのだろうか?

1. 前々から知って(知らされて)いた
2. 養母が亡くなる直前にキャリーに話した
3. ヴェルナンデスの血が目覚めたことで、すべてを思い出した

…可能性が高そうなのは2か3か。
2は死の直前にわざわざ話す必要はなさそうな気もするが、もしキャリーの両親が亡くなったことに対して養母に責任の一端があったとすれば(キャリーの場合とまったく同じで、魔物に狙われた養母をかばって亡くなった…とか)、可能性はないわけでもない。

まぁ、この辺りも結局は想像するしかないので、各々好きな番号を選んでくださいということで。


その11
(4)
キャリーのバックストーリー(後編2)

長かった妄想もやっと終わりです。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。


最後にドラキュラを倒してから「その後」について。

ドラキュラ討伐後、2年振りに養母の墓前へ戻ったキャリー。
花を手向け、短い祈りを捧げた後、立ち上がって空を仰ぎ見る…という、静寂と同時にもの悲しさも感じさせるエンディングからは、これから先が平穏に過ごせるのか、それとも新たな困難の始まりなのか、判断することはできない。
身寄りを亡くし、稼ぎ相手も無くしたキャリーはその後どうなったのか?

真っ先に考えられるのは、ヘンリー同様「教会に身を寄せた」だろうか。
ここで安住できたかどうかは分からないが、バンパイアキラーの地位が認められているであろうこの時代、少なくともサイファのような過酷な放浪生活をすることはなかったのではないか。
教会側としても、たった一人でドラキュラを倒した英雄バンパイアキラーの存在をないがしろにすることはできまい。
ただ、大人との折り合いがあまりよろしくないキャリーのこと、我慢できずに飛び出す…ということも考えられなくもない。
2年間も放浪生活をし、かつ一人でドラキュラを討伐した実力を目の当たりにすると、特別どこかへ属すことなどせずとも十分生きていけるように思え、また、キャリーならそちらの道を選びそうな気もしてきてしまう。

…まぁ、平たく言えば「どうなったかは分かりません」なのだが。
分かりきっていたこととはいえ、結局これか。

生涯、心の傷が癒えることはなかっただろうが、平穏と安らぎは手にすることができ、今後ヴェルナンデスの力を使うことは二度となかった…と信じたい。

大業を成し遂げてもなお、ここまで寂しいエンディングで終わるのも逆に珍しい。
結局キャリーにとって喜べることは何一つなかったわけだし…。
養母が生き返るとかベタな展開だとアレだけど、もう少し報われるような、笑ったり幸せを感じたりできた可能性を示唆するような内容であってほしかったかな…(すごい難しいと思うけど)


…あ、別に 都合よすぎな ラインハルト編のエンディングを責めているわけじゃないですよ?


その12 ドラキュラの狙いとは?

クリアしてもなおいくつかの謎が残る「黙示録」、「黙示録外伝」。
その中でも本作最大の特徴であり、もっとも謎が多いのが「転生の禁呪術」であろう。
この面倒な呪術をわざわざ行ったドラキュラの狙いは、一体どの辺りにあったのだろうか?

まず第一に、長年酷使し続けてきた肉体に限界がきていたという可能性が考えられる。
魔王とはいえ元は人間。何百年にも亘ってベルモンド家を始めとするバンパイアキラーたちと戦い続けてきた肉体に、相当なガタがきていたと考えても何の不思議もない。

次に、自らの弱点を克服できるという利点があった可能性。
これについては、弱点の一つを克服したのは作中でも明らかとなっている。
すなわち、「日の光」。
まだ覚醒前ではあったが、迷路庭園での出会い。そして時計塔屋上での戦い。
どちらも日中でも行動できていたことが何よりの証拠である。

ただ、日の光を克服できるというだけでは動機としては弱い。
これは単なる付随する利点として考えた方が自然であろう。
この呪術を決意するにあたってもっとも可能性が高いのは、「ドラキュラを100年間封印する力(昔でいう「キリストの力」)を打ち破る」ではないか?
自身がもともと人間だったとはいえ、忌み嫌う人間に転生するとなると生半可な理由では納得させることはできない。

他にも多くの弱点を持つドラキュラではあるが、前述の日の光以外には特に克服できた弱点はない(聖水、クロス然り)
…となると、弱点克服が理由だったとすれば、やはりこの「封印」くらいしか思い当たる点がみつからない(聖水やクロスを克服できる程度では理由にもなるまい)

しかし、もしこれが通ってしまうとすれば、今後の展開に大混乱をきたすのは避けられなくなる。
何せ最低でも7年後には復活できることになるわけだから、こうなるともはや人間側に抵抗できる力は残されていないだろう(遺骸の件もクリアしていたとなればなおのこと)


つまり、

ゲームとして次を考えた場合、最初に述べた「肉体の限界」。

一つの作品として完結させるなら「封印の力を凌駕する」。

…が理由として適切ではないだろうか。
もっとも、後者でもそれに伴う欠点の設定次第によっては、次に繋げていくことも十分可能ではある。

しかし、次に繋げるとか年表とか下らないことを考えるくらいなら、まずは一作一作を完結させる強い意気込みで作ってほしい。
一つの歯車という形式に囚われていては、いつになってもその一部にしかなれまい。


その13 「世界的な大戦争」とは何か?



レノンが去り際に触れる「世界的な大戦争」。

気になって調べてみた方は、まず「クリミア戦争」(1854-56)に目が止まると思われる。
「黙示録」から二年後と近いし、オーストリア、ワラキアも関係している。

…しかし、レノンの「世界的な」という発言から考えると疑問が残る。
「世界的な」はどう考えても第一次世界大戦(1914-18)を指しているとしか思えないが、それはまだ半世紀以上も先のこと。
クリミア戦争では規模が足りないし、第一次世界大戦では時期が合わない。
二年後ですらまだ早すぎるだろう、と思うし…。

「クリミア戦争のことを指しているが、規模については推測の情報だった」(世界的規模に発展すると考えられていた)とも推測できるが、個人的にはこの発言は詭弁だったのではないかと考える。
契約上、「もうこの客からは無理だな」と判断した時点で適当に話をでっち上げて契約を打ち切り、別の客を探す。
そうする必要性については「契約できる人数に限度がある」あるいは「一定期間以内に魂を回収できないと自身に危害が及ぶ」とでも考えればどうか?

そもそも詭弁と考えた理由。
それは8年前にコーネルにもまったく同じセリフを用いていたことが大きい。
これはレノンが契約を打ち切るときの常套句なのではないか?

…というのが「史実と絡めて考えた場合」の推測。


そう。推測はもう一つ。
現在の悪しき習慣でもあるが…なぜ実社会の常識や史実に則った設定にしなければならないのか?
「悪魔城ドラキュラ」自体フィクションであるのに、歴史だけは史実に沿わなければならない、という理由がそもそもない。
実際にこの直後、世界的な大戦争が始まってしまったのかもしれない(それについてはドラキュラは無関係であるし、この作品で語られることでもないだろう)

フィクションとなればあとは自由。
8年前にもささやかれていたが、そのときは世界規模にまでは発展しなかった…とするのも自由。
プレイヤーが各自理由をつければそれが真実。

ちなみに私の場合は悪魔ネットの怪情報に踊らされて(以下略)