悪魔城ドラキュラ
あくまじょうドラキュラ

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タイトル 悪魔城ドラキュラ
発売日 1993年7月23日(金)   価格 9,800円
ハード X68000   メディア 5インチフロッピーディスク(二枚)
ジャンル 2Dステージクリア型アクション
主人公 シモン=ベルモンド
ステージ数 8ブロック24ステージ   セーブ機能 あり(※1
難易度設定 なし   セーブ数 3
オプション サウンドテストモード
音源セレクト機能
  二周目 あり
海外版 なし
移植・配信 X68000 Z / 2024年5月30日 / 5,470円(X68000 Z専用ゲームSDカード)

(※1) ユーザーズディスクの作成またはHDインストールが必要。


 こんな作品です

多くのアーケード(ゲームセンター)作品がオリジナルさながらの再現度で移植された高スペックPC、X68000シリーズに満を持して登場した「悪魔城ドラキュラ」。
これまでの作品の集大成とも言えるその驚異的な完成度は、ドラキュラ最高傑作と呼んでも過言ではないほどのレベルであり、変態スタッフ(褒め言葉)が血に飢えたユーザーのために作った至高にして究極の一作。
ドラキュラファンであれば絶対に触れなければならない(断言)作品です。

この作品、後にプレイステーションに「悪魔城年代記」として移植されていますが、こちらはいろいろ問題があるので個人的にはオススメしません(詳細はデータ集を参照)
曲の不具合を除けば100点中70点くらいにはなるのかもしれませんが、その差はプロと凡人ほどに大きなものです(遊べなくはないけれども、これがオリジナルのバランスだとは思わないように!)

 ゲームシステム

初代「悪魔城ドラキュラ」とほぼ変わりありません。
見た目や操作性は違いますが、至るところで初代の懐かしさと雰囲気を感じられるような、そんな作りになっています。
細かい部分では、ドラキュラを倒したときの得点が50005点になっていることに感心したものです(初代はプログラムの設定ミスで5点しか入らず、後の海外版(およびROMカートリッジ版)で50000点に修正されたという経緯があります)

大きな変更は、ジャンプ後の軌道修正が可能になり、さらにジャンプ中に鞭を下方向にも振れるようになったこと。そしてサブウェポンに薬草が追加されたことくらいです。
薬草は言うまでもなく、使うと体力を一定値回復させるという異色の効果を持ちます。

 変態スタッフ(褒め言葉)が贈る渾身の一作

芸術の域まで描き込まれたグラフィックと演出、これぞドラキュラサウンドと唸るBGMと効果音、絶妙な加減で設定された操作性や敵のバランス、考え抜かれたアイテムの配置など、どこを取っても文句なしの完成度であり、攻略のしがいと達成感は初代以上です。
特に演出(?)としては、気持ち悪いくらいに(褒め言葉)滑らかかつリアルな階段の上り下りアニメーションは必見です。

周回も6周(!)まで変化し、ただ単に敵の配置が多くなるだけでなく動きそのものが違っていたり、トラップの抜け方も変わったりする手の込みようは素晴らしいの一言。
あらゆる点でスタッフの並々ならぬ熱意が感じられ、ディスクに収録されているスタッフコメントからも、大いに楽しみながら作っていた(であろう)様子が感じられます。

 オススメの曲

BGMはX68000に接続している機器に応じて、3種類の音源から選択できるようになっています。
しかも単なる調整ではなく、音源ごとにまるで異なる曲調になっていたり、サウンド関係のスタッフが3人もいるなど、音に関する力の入れ具合はまさに「音のコナミ」の真骨頂。

中でもGS音源版の「Vampire Killer」は鳥肌もの。
そのアレンジの格好良さは言うに及ばず、元が1ループ30秒程度の比較的短い曲にもかかわらず2分以上にもおよび、初代以上にプレイヤーを悪魔城の世界へ誘う役割を果たした名アレンジと言えるでしょう。

オススメの曲は他に、「Black Mass」(オープニング)、「Bloody Tears」(ブロック4BGM)、「Moon Fight」(ブロック6前半BGM)、「The Tower of Dolls」(ブロック6後半BGM)、「Etude for The Killer」(ブロック7BGM)、「Creatures in The Depth」(ボスBGM)、「LOAD BGM」などがあります。
というか全ての曲がオススメなのでぜひ聴け(命令)

 最後に

まさに隙が見当たらない、「悪魔城ドラキュラ」というゲームの理想を形にしたような超名作。
至るところから制作スタッフの愛とこだわりと職人魂が伺えます。
これが新人を含むわずか数人のスタッフ(スタッフロールやコメントから察するに、プロジェクトチームのメンバーはたったの7人!)の手によって作られたうえに、驚くべきことに全員がX68000のゲーム制作は初めてだったというのだから、当時のコナミの変態スタッフたち(褒め言葉)の才能はまったくもって 頭おかしい 恐ろしい。

オリジナルの配信は絶望的かと思われていましたが、2024年、X68000のミニチュア復刻版「X68000 Z」の追加ゲームとして、実に31年の時を経て復活しました(「配信」ではありませんが)
X68000 Z本体も含めて、プレイには最低でも約四万円という結構な出費が必要となりますが、元のハードがその10倍はしたことや、もはや幻レベルであるこの作品に触れられるのであれば、むしろお得と言えるのかもしれません。

復刻が可能と分かった今、他ハードでの配信にも期待したいところです。


…というか、こんな重要なことをまったく知らせないポータルサイトとか存在する意味あるのでしょうかね…(呆)


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