VAMPIRE KILLER
バンパイアキラー ←BACK
(※1) 「悪魔城ドラキュラ アニバーサリーコレクション」 シリーズ8タイトルを収録したダウンロード専用ソフト。PS4、Xbox One、Steam、Nintendo Switchにて配信。 (※2)本作を含む42タイトルが内蔵された、メガドライブのミニチュア復刻版。「〜W」はコントローラーが2個付属している。現物ソフト・周辺機器の使用やソフトの追加・変更は不可。 (※3)本体の言語設定を英語やフランス語などに変更すると、北米版や欧州版も選べるようになる。 (※4)Switch向けのオンライン環境提供のための定額サービスに付随するオマケ(?)
メガドライブオリジナルのドラキュラ作品。 第一次世界大戦中のヨーロッパを舞台に、各地を転戦しながら新たなドラキュラ城を目指すというシリーズ最大級のスケールを持ち、ギリシャ神殿、ピサの斜塔、ベルサイユ宮殿などの実在するスポットも取り入れられています。 ハードの普及率およびソフトの作成数の影響から、メガドライブのプレミアソフトとして有名。 現在では5万円以下で買えれば幸運と言えるほどにまで高騰しています。 プレミア化の原因の大半が希少性にあることは確実ですが、ゲーム自体の出来も素晴らしく、凝りに凝った数々の演出や操作性の良さは特筆に価します。 いろいろな大人の事情があるのかもしれませんが、もっと積極的に表に出てきてほしい、異色にして名作。シリーズ上位に食い込む作品です。
初代と同じく、2Dステージクリア型のアクションゲームです。 スタート時にプレイヤーキャラクターを二人から選べるようになっており、キャラクターによって攻略法が異なるのはもちろん、一部のステージでは通るルートが途中で分岐します(しばらく進むとまた合流します) 感覚的には「血の輪廻(ロンド)」のリヒター&マリアに近いシステムですが、操作や強弱バランスに関してはそれほど極端な違いはなく、どちらにも得意分野と苦手分野が存在します。 シリーズ伝統の鞭を使う「ジョニー=モリス」は、鞭を天井に引っ掛けて遠くまで飛ぶことができるアメリカ人。 もう一人の「エリック=リカード」は、「アルカードスピア」といういわくありげな槍を棒高跳びのように使うスペイン人。 どちらも武器扱いの荒い人です。 サブウェポンはブーメラン、斧、聖水の三種類と少なめですが、専用のボタンが割り振られ、ボタン一つで出せる通常攻撃、従来通り方向キー↑を押しながらの強化攻撃、さらに条件を満たすと使える究極攻撃もあり、種類の減少は思ったほどは気になりません。 ただし、攻撃、ジャンプ、サブウェポンのボタンが横一列で並んでいるため、とっさのときに混乱しがちな点はマイナス。 スーパーファミコン版のときのように、明らかに違う場所にあるボタンなら迷うこともなかったのですが。
この作品で話題になったのが、一部の多関節で動く敵キャラクター。 キャラクターの全身を一枚絵で作るのではなく、頭、胴体、手、足などパーツごとに別々に作成し、組み合わせて動かすことで一枚絵にはなかった味のある動きを生み出しています。 詳しくは知らないのですが、この「多関節」がメガドライブの持ち味だったのでしょうか? 何はともあれ一度は見る価値アリです。 ポリゴンの2D版のような生き生きとした動きは眺めているだけでも面白く、2Dの可能性もまだまだ限界ではないと思えること必至です。
「Reincarnated Soul」(ステージ1BGM)、「The Sinking Old Sanctuary」(ステージ2BGM)、「Calling From Heaven」(ステージ6BGM)、「Messenger From Devil」(中ボスBGM)、「The 6 Servants Of The Devil」(ボスBGM)、「Requiem For The Nameless Victims」(スタッフロールBGM)等がオススメ。 全体的に場面とともに印象に残る曲が多く、良い仕事です。 オプションにサウンドテストモードがつけられているのも嬉しい(贅沢を言えば曲名も書いて欲しかったところですが)
ドラキュラ作品というのはオススメしたいものが多い一方、手に入れるのが容易ではないものもまた多くあります。 これもその一つなのですが、やはり数万円も払って満足できるかというと微妙なところです。 定価であればもちろん満足できる内容だと言えますが。 ダウンロード配信というサービスが始まってからも一向に登場する気配がなく、長い間プレイが困難な状況が続きましたが、現在では「悪魔城ドラキュラ アニバーサリーコレクション」「メガドライブ ミニ」「Nintendo Switch Online +追加パック」という複数の選択肢が生まれました。 いずれも再現度は申し分なく、現物にこだわるコレクター以外にとっては十分なものでしょう。 プレミア化の影響で触れることができなかった方には、この機会にぜひプレイしてほしい作品です。 ←BACK |