ファミコンミニ29 悪魔城ドラキュラ
ファミコンミニ29 あくまじょうドラキュラ

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↓参考比較(ファミコン・ディスクシステム版より)
  


タイトル ファミコンミニ29 悪魔城ドラキュラ
発売日 2004年8月10日(火) 価格 2,000円
ハード ゲームボーイアドバンス メディア ROMカートリッジ(32Mbit)
ジャンル 2Dステージクリア型アクション
主人公 シモン=ベルモンド
ステージ数 6ブロック18ステージ( セーブ機能 あり(EEPROM)
難易度設定 なし セーブ数 3
オプション スリープモード
データ初期化機能
二周目 あり
海外版 Classic NES Series: Castlevania
移植・配信 なし

※2周目以降は6ブロック19ステージになる(追加ステージというわけではない)


 こんな作品です

ファミコンの名作をゲームボーイアドバンスに移植する、「ファミコンミニ」と呼ばれるシリーズ。
第一弾、第二弾(それぞれ10タイトル)に続き、シリーズ最後となる第三弾は「ディスクシステムセレクション」と題し、その名の通りディスクシステム作品から10タイトルが登場。
全部で200近くもあるディスクシステム作品から、「悪魔城ドラキュラ」は見事10タイトルの中に選ばれました(もっとも、選択の基準は作品の出来以外にも様々な要素が絡んでいると思いますが)

この「ファミコンミニ」シリーズは何もアレンジせず、エミュレーター(*1)を組み込んでオリジナル版をほぼそのままに再現(*2)しているのが珍しい点でした(当時の「移植」は作り直しに近い方法で行われるのが普通でした)
その仕様上、細かな挙動に至るまで違いはなく、攻略法も当時のままに使うことができます。

*1)異なるハード用に作られたソフトを動かすためのプログラムのこと。
基本的には「まねごと」なので、オリジナルとは違う部分や不具合が出る可能性もありますが、本シリーズのエミュレーターの再現度はとても高いと思います。

*2)ただし、解像度の違いからオリジナル通りのグラフィックは再現できていません(詳細は次項)

 さて気になる再現度は…

以下、二周を終えて気になった点を挙げていきます。

●グラフィック
ファミコンミニシリーズ全体の仕様として、スプライトオーバーによるちらつきや表示欠けは起こらなくなっています。
基本的には起こらないほうが良いものだとは思いますが、やはり「再現」という点から考えれば、オプションで選択できるようにしてくれた方が嬉しかったかもしれません。

一番の問題は解像度の違い。
ファミコン256×224ドットに対し、ゲームボーイアドバンスは240×160であるため、縦方向は64ドット(床4個分)も削って収めなければならず、その影響で縦潰れが発生してしまっています(ちなみに最小単位8×8ドットを8×6で描き直し)

また、左右も8ドットずつ切れているため、その8ドットの範囲に置かれている扉は位置を確認することができません。
ブロック1から早々に出てくるうえ、最初からかなり紛らわしいことになっており、初めて遊ぶ方にはかなり不親切です。

●BGM・効果音
BGMは一部にやや違和感がありますが、ここまでできていれば問題はないでしょう。
しかし、効果音に関しては明らかに音色が違うものがあったり、時々オリジナルにはない音が混ざったりする(頻度はそれほど高くはありませんが)などイマイチ。
特にブロッククリア時のハート精算と、地下への落下音はオリジナル版と全然違います。

●操作性・バランス
これはオリジナル版と遜色ないと言ってよいと思います。
ただし、ゲームボーイアドバンスの小さい十字キーとボタンによる操作のしづらさや、操作によって多少ぶれてしまう画面は見辛く感じられるかもしれません。

●説明書
二枚の紙に印刷されたものですが、内容はほぼオリジナル版と同じです。
コスト面から仕方のない仕様だとは理解できるものの、冊子になっていれば嬉しかったのは間違いありません。
ちなみに、問題となる「せむし男」は「のみ男」に打ち変えられています(その影響で不自然な空白がある部分も)

●その他
エンディングで城が崩れたあと、謎の点が出現します。
城の崩れ方もオリジナル版とは違っているので、興味のある方は見比べてみてください。

 最後に

主にハードの寿命の点から遊ぶことが難しくなっていた当時、この存在はとてもありがたいものでした。
再現度について不満がないわけではありませんが、全体的に見れば十分許容範囲かと思います。
ディスクシステム版をベースに、ROM版のEASYモードやハートの高速精算を反映させた完全版のような形になっていれば理想的でしたが。

今や完璧と言えるバーチャルコンソールや、各種配信・収録などによって、あえてこのファミコンミニ版を選ぶ理由はほとんどなくなってしまいましたが、懐かしい思い出を呼び起こすパッケージデザインや黄色いカートリッジ等、「形として存在する」その価値は決してなくなることはないと思います。


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