Castlevania Lords of Shadow 宿命の魔鏡
キャッスルヴァニア ロード オブ シャドウ さだめのまきょう ←BACK ※画像はHD EDITION(PS3版)のものです。
■HD EDITION
「Castlevania Lords of Shadow」(以下「前作」)のスピンオフ作品。 前作の主人公ガブリエルとその息子トレバー、孫シモンの親子三代が織り成すベルモンド家の悲しい宿命が描かれます。 容赦なく前作のネタバレから始まりますので、まだ遊んでいない方は要注意。 ※3DSの配信サービスは終了しました。 制作は前作に引き続きMercurySteam社が担当。 携帯ゲーム機のものとは思えない圧巻の背景美術は必見。 2Dでも十分美しいものですが、3Dの奥行きが加わることで衝撃はさらに五割増し(個人比) もっとも、奥行きがありすぎて逆にそっちへ行ってみたい(むしろなぜ行かないのか?)気になって仕方がないのですが。 パッケージに大きく書かれた『「新章」悪魔城ドラキュラ』の一文の通り、前作以外の作品との関連性はありません。 シモンやアルカードなどシリーズおなじみの名前も出てきますが、まったくの別人です。 おそらくはファンサービスのつもりなのでしょうが、シリーズファン以外にとっては非常に混乱する要素であり、敬遠される条件(=シリーズを通して遊んでいないとついていけないと思われる)にもなり得るため、個人的にはあまり歓迎できるものではないな…と思います(しかも公式で勘違いを助長する可能性120%な書き方がされている始末…)
内容的には前作のシステムをそのまま2D(表示は2.5D)に落とし込んだような作りになっています。 序章+第1幕〜第3幕の計4つ(序章はいわばチュートリアル(操作説明)なので、実質的には3つ)のシナリオに分けられており、それぞれ主人公が異なります。 基本的な操作やスキル(次項)は全キャラクター共通ですが、手に入るサブウェポンや特殊アイテムが異なり、主人公ごとに若干違う戦略が求められます。 ステージも各キャラクター別々のルートを攻略していくことになります。 シナリオによっては他のキャラクターと影響しあう部分もあり、全てのシナリオを終えることで全体の繋がりが見えてきます。もっとも、シリーズファンならお約束な展開、ファンでなくてもほとんど想像できる程度の内容ですが。 城内に点在する宝箱によって体力、魔力の最大値やサブウェポンの使用数を増加させたり、敵を倒してXP(経験値)を積むことで新たなスキルを解放することができます(ステータスは全キャラクターで共有) ジャンルとしては探索型に分類されますが、宝箱以外の配置アイテムやドロップアイテムなどの収集要素、装備品の入手・変更やレベルアップによるステータス(攻撃力や防御力など)の強化といったRPG的な要素はありません。 イメージとしては「月下の夜想曲」のリヒターモードから、技だけを取得制にしたもの…と言えば分かりやすいでしょうか。
敵を倒すことでキャラクターのレベルが上がり、新たなスキルを使えるようになっていきます。 強力な五連撃を繰り出すファイナル・ダイレクト・アタック・コンボや、敵のガードを崩すトレマー・パンチ、軽い敵を空中に打ち上げるライジング・ストライクなど、基本スキルと併せるとその数は32種類にも及びます(うちいくつかは強化スキルなので、実際は20種類程度になりますが) これらをスライドパッドとB、X、Y、Lボタンの組み合わせ、さらには敵の状態を見極めたうえで使い分けることを求められるので、慣れるまではとにかく大変です(もっと言えば、そこにサブウェポンと特殊アイテム(操作)も加わるので、瞬間の選択肢は膨大な数に…) もちろん、必ずしも使わなければならないものではなく、基本スキルだけでも十分クリアは可能です。 むしろスキルは全体的に利便さが際立っており、特にボタン長押し系のスキルはバランスが激変するレベル。 前作のような「XPを使って任意にスキルを解放する」システムならそれでも良かったと思いますが…(むしろなぜそうしてくれなかったのでしょうか)
「Mirror of Fate Main Theme」(タイトル)、「Ballroom」(舞踏室BGM)、「Library」(図書室BGM)、「Theatre」(劇場 天井裏BGM)、「Trevor's Farewell」(トレバーのテーマ)、「Carousel」(回転木馬 動力部BGM)、「Lady of the Crypt」(地下墓地の女戦BGM)、「Daemon Lord」(デーモンロード戦BGM)、「Final Fight」(最終ボスBGM)辺りがオススメ(※曲名は海外版のサントラより) 前作同様、どちらかというと環境音楽の側面が強いように思います。 ただ、決して悪いわけではなく、「操作に忙しいから」というシリーズ共通の理由(今回は特に操作の複雑さが顕著であるため)が主であり、じっくり聴くと思いのほか良い曲が多いことに気づかされます。 ぜひイヤホンをしてのんびりと城巡りをしてみてください。 海外では音楽CDが発売されたようですが、できれば日本でも出してほしい…。
内容はほぼそのままに、PS3/XB360のスペックに合わせ高解像度仕様(1080p)にしたダウンロード販売専用ソフト。 3DS版で不評だったQTE(Quick Time Event…画面に表示されるボタンを素早く正確に押す)は一部を除いて撤廃され、新たにボス・ラッシュモード、トロフィー/実績、ネットランキングなどが追加されています。 その他、一部の訳やネタ、難易度の仕様が若干変更されていたり、イベントのスキップが可能になったりなど、細かい部分で改良・調整が加えられています。 ただし、欠点として立体視がなくなってしまったこと、読み込み時間がさらに長くなってしまったこと、読み込みの遅れから瞬間的に画面が停止する場面が多いことなども…。 詳細は「DL配信タイトル」の項を参照。
不満点もそれなりに多いのですが、全体的には非常に丁寧な作り。 前述したこととは若干矛盾しますが、スキルを自在に使いこなして敵を翻弄できるようになってくると、俄然楽しくなってきます。 従来の「悪魔城ドラキュラ」らしさはほとんどありませんが、個人的にはこの方向性も悪くないと思えました(やる前はかなり否定的でしたが) 今後、この方向性で進化させていくのか、それとも従来の作品に近づけていくのか。 次回作が気になるところです。 ←BACK |