悪魔城ドラキュラ
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ディスクシステム版「悪魔城ドラキュラ」(以下「初代」)の約一ヵ月後に登場した、MSX2というハードでのドラキュラ作品。 普通、ゲームの開発には最低でも半年はかかると言われていることから、「初代」とほぼ同時に開発が進められていたことは間違いなさそうです。 タイトルこそ「初代」と同じですが、ゲーム内容は大きく異なっていて、マップに隠された鍵を見つけ出して先へ進んでいくという、探索型の元祖とも呼べるものになっています。
前述の通り、純粋なアクションゲームではなく、探索の要素が加わっています。 背景のスクロール機能を持たないハードの性質上、画面は一画面切り替え型(任天堂社の「ゼルダの伝説」のようなもの)になっています。 上下左右に入り組んだ悪魔城を探索し、扉を開けるための鍵を見つけ出して先へ進む方式。 鞭や短剣、斧、クロスといった武器から、シモンの移動速度を上げるブーツ、ジャンプ力を上げる羽根など様々なアイテムの助けを借りながら探索を進めていきます。 今回は短剣、斧、クロスはサブウェポンではなくメインウェポンに昇格。 ハートを消費することなく使うことができるため、短剣はかなり役立つ武器になっています(名称も「勇者の剣」とかなり大仰に。でも見た目はやっぱり短剣) 斧はクロスと同じブーメランタイプの武器に変更。 戻ってくる武器を取り損ねるとなくなってしまうという設定が、妙にリアルで笑えます。 敵は画面を切り替えるたびに復活するので、マップのつながりと鍵の場所を覚え、いかに無駄な戦いを減らすかがポイントです。 そういった、アクションにあまり重点が置かれていない「詰め」のような内容のため、慣れてしまうとあまり達成感がなくなってしまうという欠点もありますが、右往左往していたステージをさっとクリアできたときの嬉しさのようなものは味わえます。 純粋に面クリア型のアクションゲームがやりたい方には、ちょっと不満に思えるかもしれませんね。
曲は「初代」とほとんど同じです。 違っているのはスタッフロールの曲くらいでしょうか。 音源的にもちょっと軽めで、「初代」と比べるとちょっと弱いかも…。
同じタイトルで、これだけ内容の違う作品がほぼ同時に出たというのは面白い点であると思います。 MSX2の仕様を考えると、こういう形にするしかなかったのかな? とも思えますが。 ただ、やはり「初代」と比べてしまうととっつきにくく、ハードの普及率の問題もあって、あまり話題にならなかったのは仕方なかったのかも知れませんね。 しかしながら、個人的に今回のドラキュラ伯爵は一見の価値アリだと思っています。 あの姿と、その後の展開には本当にビックリさせられました(パッケージと説明書で最初から豪快にネタバレしている点はともかく…) 今のハードを以って作り直せば、大化けする可能性は大です。 ←BACK |