悪魔城伝説
あくまじょうでんせつ

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タイトル 悪魔城伝説
発売日 1989年12月22日(金)   価格 6,500円
ハード ファミコン   メディア ROMカートリッジ(3Mbit+VRC6)
ジャンル 2Dステージクリア型アクション
主人公 ラルフ=C=ベルモンド(海外版ではトレバー=C=ベルモンド)
グラント=ダナスティ
サイファ=ヴェルナンデス
アルカード
ステージ数 15(総数)   セーブ機能 あり(パスワード)
難易度設定 なし   二周目 あり
オプション サウンドテストモード
海外版 Castlevania III: Dracula's Curse
移植・配信 Wii / 2009年4月21日 / 500円(→バーチャルコンソール
Wii U / 2014年4月16日 / 514円
PS4他 / 2019年5月16日 / 3,000円(※1

(※1) 「悪魔城ドラキュラ アニバーサリーコレクション」 シリーズ8タイトルを収録したダウンロード専用ソフト。PS4、Xbox One、Steam、Nintendo Switchにて配信。


 こんな作品です

ドラキュラシリーズのファミコンでの三作目(作中でも「DRACULA III」と表記されています)
シモン=ベルモンドの時代からさかのぼること百余年、魔王となったドラキュラ伯爵を倒すため、「ラルフ=C=ベルモンド」が立ち上がる…というストーリー(ちなみにこの「百余年」という設定は明らかに矛盾しているのですが…)

当時大容量であった3メガビットROMに加え、コナミ社が独自に開発した拡張チップ「VRC6」を搭載。
美しいグラフィックと圧倒的存在感を誇るBGMは特筆ものです。
シリーズでもトップクラスの人気があり、数多くあるファミコンのアクションゲームの中でも評価の高い作品です。

 ゲームシステム

基本的なシステムは初代「悪魔城ドラキュラ」と同じですが、ステージ(ブロック)数は倍以上も用意されています。
それに加えて、ステージクリア後に好きなルートを選べたり、仲間になるキャラクターなども登場し、何度でも繰り返し遊んでみたくなるような内容になっています。

 パーティー制になったドラキュラ

ゲーム開始直後はラルフ一人ですが、あるルートを通ると仲間になってくれるキャラクターと会うことができます。

●グラント=ダナスティ
小柄で身軽な軽業師。
移動やジャンプ力に優れ、壁や天井に張り付いて移動できるという操作性の高さが特徴。
メイン武器が短剣(ハート消費なし)なのもポイント。
特性を活かしてショートカット(近道)や敵に奇襲をかけることができ、初心者にはとても使いやすいキャラクターです。

●サイファ=ヴェルナンデス
白いローブに身を包んだ魔法使いのバンパイアハンター。
メインの武器(杖)はリーチも短く扱いづらいですが、専用の3種類の魔法(サブウェポン扱い)はどれも強力で、ボス戦では頼りになる存在です。
欠点は打たれ弱い(=一回に受けるダメージが大きい)こと。
玄人好みのキャラクターでしょう。

●アルカード
ドラキュラの息子。
メインの武器は ヘボショット ショット弾で、最大3方向に放つことができます。
また、ハートを消費してコウモリに変身し、空中を自由に飛び回ることもできます。
欠点は階段の上り下り中は攻撃ができないことと、攻撃力の低さ。
他の二人と比べると中途半端な印象は否めませんが、この欠点がなかったら逆に死角がなさすぎると思えば、このくらいがちょうどいいのかも…。

以上の3人がいますが、連れて行けるのはこのうちの一人だけとなっています。
すでに仲間がいた場合、新たに加えようとすると入れ替えで離脱してしまうので要注意です(誰も抜けろなんて言っていないのに…)
連れて行った仲間に応じて、エンディングもそれぞれ変化します。
誰も仲間にしなかった場合を含め、全部で4種類のエンディングが存在します。
ぜひ、全ての結末を見てみてください。

狙っていたのかは分かりませんが、こうした操作性の異なるキャラクターを用意したことによって、ラルフだけではクリアできないプレイヤーでも、他のキャラクターの助けを借りればクリアできる可能性が上がります。
そして、簡単なキャラクターで練習を積みながら、「ここは○○の力を借りていたけど、ラルフでやってみよう」というように徐々に慣れていき、ついにはラルフ一人でクリアできるようになったりもするでしょう(逆にラルフをまったく使わずにクリアしてみるという楽しみ方も)
このシステムはゲーム性を増すだけではなく、上達していく喜びも実感できる、非常に優れたものであると思います。

 オススメの曲

ゲームを盛り上げるBGMは、今回も名曲揃い。
想像以上の力を発揮するVRC6の効果もあって、ファミコンとは思えない仕上がりとなっています。
特に最初のステージ曲「Beginning」と、水没都市ステージ曲「Aquarius」は一押し(二押し?)
初代の名曲「Vampire Killer」もVRC6アレンジを施して再登場。聴き比べてみるのもまた一興です。

その他、「Clockwork」(時計台BGM)、「Anxiety」(幽霊船BGM)、「Stream」(水道橋BGM)、「Nightmare」(地下道BGM)など、今回も場面に合った素晴らしい曲が揃っています。
捨て曲など一切ないと言い切れるほどの質の高さで、「これぞコナミ矩形波倶楽部」「これぞドラキュラサウンド」と唸るほどにどれもが格好良い。

オプションでサウンドテストモードが付いているので、好きなときに好きな曲を聴くことができるのも嬉しい仕様です。

 最後に

…というわけで、とにかく至れり尽せりな作品で、スタッフの熱意と思い入れがひしひしと伝わってきました。
「ファミコンでここまでできるのか!」と唸らせるグラフィックとBGMはぜひとも実際に見て、聴いて確かめて欲しい作品です。

幸いにもプレミア化はしていませんし、配信でも構わなければ現在でもいくつかの選択肢があるので、触れること自体は決して難しくないと思います。


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