悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲
あくまじょうドラキュラエックス げっかのやそうきょく ←BACK ※画像はプレイステーション版のものです。 ■プレイステーション版
※「悪魔城ドラキュラX セレクション」 ダウンロード配信限定。「血の輪廻(ロンド)」とのカップリング移植。 ■セガサターン版
PCエンジン版「血の輪廻(ロンド)」のその後を描いた作品。 「血の輪廻(ロンド)」から5年後という設定で、前作の主人公リヒターやマリアを始め、敵側の暗黒神官シャフトなどの登場人物が継承されています。 しかしながら、今回の主人公はベルモンド家の者ではなく、ドラキュラの息子アルカードとなっています。 直接といった関連性はありませんが、事前に「悪魔城伝説」を遊んでおくと、さらに趣が増すことでしょう。 アルカードのあまりの変貌ぶり(見た目はもちろん、設定も…)にきっと驚くはず。 この作品をきっかけとして、ドラキュラは純粋なアクションゲームから離れ、探索型と呼ばれるものに変化していきます。 そのためこの作品の評価(というより思い入れ)は古くからのファンと新規ファンの間での隔たりが大きく、論争の火種になることが多くなっています。 ゲームとしては成功したと言えるのでしょうが…。
今回の舞台はドラキュラ城のみとなっています。 城の中を歩きまわって新たな道を発見するパズル的な内容に加え、敵と戦ってアルカード自身を強くするRPG的要素も加わっています。 シリーズを通して遊んできた方は、「ドラキュラII」に近いものを感じるかも知れません。 あの懐かしい「ここで体を休めていきなされ」や「いいところに連れて行ってあげよう」など、知っていれば思わずニヤリとしてしまうさりげないネタが満載です。 城内に点在する魔導器と呼ばれるアイテムを手に入れると、二段ジャンプができるようになったり、霧やコウモリに変身することができるようになっていきます。 これらの技を駆使してドラキュラ城の天守を目指すことが目的です。 「マップを全て埋める」「怪物図鑑を完成させる」「アイテムを全て手に入れる」「レベルを極限まで上げる」など、楽しみ方はいろいろあります。 さらに、ゲームを一度クリアすればオープニングでしか操作できなかったリヒターで攻略することができたり、タイムアタック(所定のイベントを起こすまでにかかった時間が記録される)が追加されたりなど、繰り返し遊べる要素が数多く取り入れられています。 セガサターン版では後発の特典として、さらにマリアで遊べるようになったり、新ステージや敵、アイテムなどが追加されています。 しかし、メニューやマップ表示の際の読み込み時間の存在、少々悪ノリが過ぎる追加アイテムなどを考えると、微妙なところではありますが…。
本作では、恒例だった「Vampire Killer」などの従来の曲のアレンジはほとんどありません(セガサターン版にはあります) その代わり、新たに書き起こされた曲はどれも素晴らしいものばかりです。 「祈り」(ファイルセレクト画面)、「ドラキュラ城」(ドラキュラ城入り口)、「木彫パルティータ」(蔵書庫)、「しもべたちの祭典」(ボス1)、「秘境の貴公子」(時計塔)、「異形の血族」(????)、「失われた彩画」(????)…と、挙げればキリがないくらいオススメ曲は多いです。 長時間聴いていてもしつこく感じない、むしろ聴いていて心地よく感じられる曲群にはまさに脱帽です。
「悪魔城ドラキュラ」っぽい見た目の別作品…そんな印象です。 いっそ新規タイトルにすればよかったようにも思えますが、「悪魔城ドラキュラ」というネームバリューを利用したかったという思惑もあったのでしょう。 結果的には旧作派と月下派に分かれ、お互いに分かり合えることはないほど溝は深くなってしまいましたが…。 同じ名前の作品に惹かれながら、互いを批判しあうようになってしまったことには、一ファンとして悲しいものがあります。 「悪魔城ドラキュラ」は、今後どういう道を進むことになるのでしょうか。 注意深く見守って行きたいと思います。 ※見守るような状況ではなくなってしまいましたね…(2006年3月加筆) ←BACK |