悪魔城ドラキュラ
あくまじょうドラキュラ ←BACK ■ディスクカード版
■ROMカートリッジ復刻版
(※1) 2周目以降は6ブロック19ステージになる(追加ステージというわけではない) (※2) 本作を含む30タイトルが内蔵された、ファミコンのミニチュア復刻版。正式名称は「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」。現物ソフト・周辺機器の使用やソフトの追加・変更は不可。 (※3) 「悪魔城ドラキュラ アニバーサリーコレクション」 シリーズ8タイトルを収録したダウンロード専用ソフト。PS4、Xbox One、Steam、Nintendo Switchにて配信。
「悪魔城ドラキュラ」シリーズの記念すべき第一作目。 100年の眠りから目覚めた「魔王ドラキュラ伯爵」を倒すため、バンパイアハンター「シモン=ベルモンド」は先祖代々受け継がれてきた聖なる鞭を手に、単身悪魔城に乗り込む…というストーリーです。 横スクロール型のアクションゲーム、鞭の特性と間合いの取り方、サブウェポンによる戦略性など、後の作品のほぼ全ての基本となるシステムはここですでにできあがっています。 主人公の武器が鞭であるという点が非常に斬新であり、かつその特性(振りかぶり→繰り出しに伴う間(=隙)の存在や、横方向に優れる攻撃範囲の一方で上下に発生する死角など)をうまくゲームとして取り込んで無駄にしないアイデアは素晴らしいの一言。 ファミコンという非常に制限の厳しいハードにおいて、それを感じさせない雰囲気抜群のグラフィックを始め、数々の名曲、難度は高いけれどただ闇雲に高いわけではない絶妙なバランスなどによって、たちまち多くのファンを獲得しました。 ゲーム中、ストーリーなどは語られませんが、ステージやキャラクターが下手な説明よりも多くのことを語ってくれます。 こういった「雰囲気で語る」ゲームは、今のようにキャラクター第一で考えているものよりよほど感情移入しやすく思います。 自分が主人公になりきった感じ、とでも言いましょうか。 …私だったらこんな所絶対行きたくありませんが(笑)
襲い掛かってくる敵を聖なる鞭で倒しつつ先へ進んでいきます。 いろいろな場所にある燭台(ロウソク)を破壊すると、様々なアイテムが現れます。 鞭をパワーアップさせる「クサリ」、↑+Bで使うことができる「サブウェポン」、サブウェポンを使うために必要な「ハート」、得点が増える「$袋」、一定時間無敵になる「透明薬」など。 燭台の他にも、特定の壁を壊すと体力を回復させる「肉」や、サブウェポンを連射できるようになる「II連射」「III連射」が出たり、特定の場所で特定のアクション(しゃがむなど)を行うとボーナスアイテムなどが出現することもあります。 隠されている場所は意外なほど多く、これらを探し出すのも楽しみの一つです。 悪魔城は大きく分けて6つの層(ブロックと呼ばれています)があり、それぞれがさらに3つの部屋(ステージ)に分かれています。 ブロックの最後まで行くと、そのブロックのボスが登場します。 今までの敵と違い、体力が高く攻撃も熾烈です。 ボスを倒して魔力の玉を手に入れれば、次のブロックへと進むことができます。 そうして、最終的にドラキュラ伯爵が待つ天守を目指します。
鞭の他に一つだけ持てる第二の武器です。 全部で5種類あり、威力は低いけれど遠距離攻撃が可能な「短剣」、斜め上方へ放ち鞭の欠点を補える「斧」、地上の敵に絶大な威力を発揮する「聖水」、攻守一体の優れたブーメラン「十字架」、敵を数秒間完全に停止させる「懐中時計」(ただしボスはブロック2まで)と、明確な個性がつけられています。 ブロックにあったものを選べば簡単にクリアできますし、逆に難しくしたければ持っていかないようにするなど、プレイヤーの腕に合わせて難度がある程度自由に変えられるのもポイントです。 短剣で行くのもまた楽しい…(笑)
6つあるブロックはそれぞれが実に特徴的です。 ホール(廊下)、礼拝堂、外壁、地下道、牢獄、時計塔など、制限の厳しい中でとてもよく表現されています。 敵との戦いでそれどころではないかもしれませんが、余裕があればぜひ背景の美しさも見てほしいですね。 当時、「可愛らしい」「シンプル」系のグラフィックが多かった中で、ドラキュラのような「怖い」「リアル」系は非常に印象的でした。 独自の世界観を見事に作り出した「ドラキュラ」スタッフにただただ感心するばかりです。
ゲームを彩る曲はいずれも劣らぬ名曲揃いです。 特にブロック1の「Vampire Killer」はドラキュラの顔とも言えるほどで、後の作品にも数多く使われています。 これから始まる厳しい戦いを予感させる曲としての役割を十分果たしていると思います。 それ以外も、各ブロックごと雰囲気にあった曲が用意されていて、ドラキュラを語る際にはまず外せない要素になっています。 短い曲ながらプレイヤーを悪魔城の世界へ引き込む「Underground」(ネームエントリー画面)と「Prologue」(スタートBGM)、地下洞窟の不気味さをより増幅させる「Walking on the Edge」(ブロック4BGM)、牢獄/拷問部屋/研究室の恐怖、狂気を醸し出す「Heart of the Fire」(ブロック5BGM)、決戦に向けて気分を否応なしに高める「Nothing to Lose」(最終ステージBGM)などなど、どれか欠けてもドラキュラの魅力を損なうと言っても過言ではないほど、どの曲も場面場面と一体化しています。
このゲームはディスクシステムという今や化石のようなハードで発売されたので、気軽にオススメできないのが難点でしたが、現在ではバーチャルコンソールの配信などによって容易に遊べるようになりました(バーチャルコンソールの終了に伴い、再び触れるのが難しくなりつつある状況ですが…) 難しいゲームではありますが、シリーズファンなら絶対に触れておきたい作品です。 ここからドラキュラの歴史が始まったのだと思うと、感慨深いものがあります。 ←BACK |